【銀河英雄伝説】 ベルゲングリューンが、ラインハルトに対して妙な敵対心を持って...

【銀河英雄伝説】

ベルゲングリューンが、ラインハルトに対して妙な敵対心を持ってる理由はなんでしょうか？

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キルヒアイスのことも、最後決裂する前のロインタールのことも、ラインハルトにそれほど落ち度があるように思えません。やむを得ない程度の話かと。



そのわりに、専制国家において、皇帝陛下に対して異常なほど文句を言える彼は何なのでしょう。ほかにはいないタイプのキャラとして目立ってるんですけど・・・不思議です。



かなりマイナーな質問で恐縮ですが、いい理由、解釈があれば教えてください。

忠誠心をささげる対象が違ったからだと思います。

ハンス・エドアルド・ベルゲングリューンという名前からも分かる通り、彼は平民出身の軍人と思われます。本人の能力の優秀さは申し分がないのに、貴族社会の序列が軍隊の中にも入っている旧帝国軍の状況では、その能力を発揮できる場は少なかったはずです。

また、ベルゲングリューンは忠誠心の厚い男です。しかし国家と皇帝とかではなく、自分の命を捧げることのできる人物を探していたのではないかと感じます。それがキルヒアイス。若く、強く、美しく、しかも自分の能力を高くかってくれるキルヒアイスと出会ったことは、間違いなく彼を高揚させてくれたでしょうし、存在意義を感じたことでしょう。

そのキルヒアイスを失ったのです、ラインハルトの油断によって。

ラインハルトとは別の意味で、大きな喪失感、虚脱感に襲われたに違いありません。

そこに現れたロイエンタールは、キルヒアイスとは違った魅力を持っていました。沈着冷静、名将として名を馳せていたロイエンタールですが、ベルゲングリューンの積極的な意見を重用します。一方で、人格的な歪みをもつロイエンタールの危うさに、ベルゲングリューンは自分が守らなければならないという思いを強くします。

しかし、この２人には語ることこそしないものの、共通の思いがあります。ラインハルトへの強い思いです。ロイエンタールは戦ってみたいという衝動、ベルゲングリューンは己の希望を失わしめたという思いです。

そういった中で、ロイエンタールの反乱は引き起こされます。

ベルゲングリューンは勝ち目のない戦いの中で、よく補佐しつつも、ラインハルトからの懐柔策を待ち続けます。そもそもが誤解によって起きたものです。なにか修復の方法があるのでは・・。しかし、事態は刻々と悪化し、双璧相撃つところまで来てしまいます。

ロイエンタールの死を知り、ベルゲングリューンは思います。「カイザーよ、あなたは一度までならず、二度までも、私から希望を奪い去るのか」と。

ベルゲングリューンにとって、旧帝国だろうが、新帝国だろうが、どちらでもいいのかも知れないです。彼の忠誠心は、「彼を知る者」の元に寄せられるからです。

敵対心というのとはいささか異なるのではないかと思いますが…。



キルヒアイスについては明らかにラインハルトの落ち度です。彼自身がそれを認め、激しく後悔しています。



ロイエンタールについては…。

あの時点ではまだ、地球教の陰謀によるものだという事が判明していませんからね。

終始ロイエンタールの側にいたベルゲングリューンから見れば、ラインハルトが狭量であったようにも見えてしまうでしょう。

オーベルシュタインへの強烈な反感もそれを助長しています。

結局、ハイネセンとフェザーンは遠過ぎたのです。



まあ、ベルゲングリューンにもわかってはいたのだと思います。ラインハルトを責めてもどうしようもなく、また責めるべきではないという事も。

あるいは彼は死に臨んで、強烈な皮肉と共に心からの忠告としてあのような事を言ったのかも知れません。覇業を成し遂げた後に豹変し、功臣を誅殺して後世に悪評を残した王者は歴史上に少なくないですからね。