2012年6月12日火曜日

銀河英雄伝説 ローエングラム王朝はあの後どうなったと思いますか?

銀河英雄伝説 ローエングラム王朝はあの後どうなったと思いますか?

ラインハルトは傑物でしたが、時代もその片腕になるかもしれない子も幼児では、ヒルダ達が賢く育てるとして名実ともに皇帝になるまで10数年はかかるでしょうし、持ちこたえられるのでしょうか。







銀河英雄伝説の物語は軍部中心なので文官らの存在感が薄いですが、大規模紛争がおおよそ解決したラインハルト死後に関しては文官が徐々に重要になっていきます。



ここで注目すべきが工部尚書グルック、民政尚書カール・ブラッケ、財務尚書オイゲン・リヒターらです。今の日本で言えば国交大臣、経産大臣、財務大臣にあたる超重要ポストにいるこれらの面々です。



ブラッケ・リヒターらのグループはラインハルトの政策に批判的です。彼らは民衆の為の政治を行おうと考えていた旧帝国時代の開明派の政治家たちですが、当初自分らをラインハルトが登用したのは「国民の人気取りのためでは」と疑っていました。そしてもし将来ラインハルトが民衆の為の政治を止め、暴君化した場合に備えて民衆を教育し横暴な皇帝に抵抗できる民衆を育てるべきだとまで言っています。

彼らはラインハルトがヤン一党らと連年熾烈な戦争を繰り広げていた事にも批判的で、将来財政的に深刻な状況を招くのではと懸念していたりします。ラインハルトの死後、軍部の独走をなんとか制御下に起きたいと考えるのは自然な事です。



こうした考えの彼らにとって、ユリアン・ミンツの持ち込んだ憲法制定と議会の開設の提案は格好の材料となります。特に軍部に鎖をつける法的根拠となる憲法と議会によるシビリアンコントロールは是非とも成立させたいと考えるでしょう(おそらく超現実主義者のトリューニヒトが帝国に議会を開かせるのが可能と判断していたのは、こうした帝国政府内の状況を分析した結果だと思われます)



同時に、正規軍同士の大規模な軍事衝突の発生しない状況は大規模な軍縮の必要を生みます。軍人や軍需産業の間では失業と企業倒産の問題が深刻化し、経済的に困窮する軍関係者が続発する事が予想されます。



ローエングラム王朝は軍事独裁政権であり、軍部の政治的権限と経済的権益を奪う文官らの姿勢には強い反発が生じる事が予想されます。最悪は叛乱やクーデターの発生すら予想されます。そこで、ヒルダやミッターマイヤーらがいかに両者の間を調停できるかによって、ローエングラム王朝の運命はほぼ決定されると予想できます。ここで失敗すれば、再び銀河は分裂します。



しかし、ヒルダやミッターマイヤーならこのあたりの難しい課題もなんとか乗り越えられると信じたいものですけどね。



実は旧同盟サイドでも深刻な問題が発生する恐れがあります。ローエングラム王朝は上記のような事情もあって憲法制定と議会の開設へと進む可能性が高いのですが、旧同盟でも帝国とは違う理由から反発の動きが生じると思います。



皇帝を戴く上での立憲君主制はフレデリカらのバーラト政府や多くの旧同盟市民にも受け入れやすい体制ですが、一部にはこれを「民主共和主義の精神を損なう汚らわしい妥協の産物」「バーラト政府は共和主義の精神を帝国に売り渡した」とする人々が必ず出てきます。仮に『民主共和制原理主義過激派』とでも名付けましょうか。彼らのテロ活動がフェザーン・バーラト両政府の頭痛の種になると思われます。(また、敵を失い存在意義を失う事を恐れる帝国軍の一部が、あえてこれらのテロ組織に加担して紛争の規模を拡大するというシナリオも考えられます)



このように新帝国はいきなり前途多難で、摂政ヒルダはこれらの政治的課題に忙殺され育児どころではないと思われます。新皇帝アレクの養育は結局、彼の叔母であるアンネローゼの(おそらく生涯最後の)仕事になると予想されます。








物語最後の時点で上級大将だった6人がラインハルトの遺言で元帥への昇進をすることになっています。ミッターマイヤーと合わせて「獅子の泉(ルーヴェン・ブルン)の七元帥」となりますので、ここでもヒルダを中心として、亡きオーベルシュタインの「No.2不要論」が炸裂し、安定した平和が続くと思われます。



同盟側もユリアンやアッテンボローがいる限りは穏やかにしばらくは時代が流れると思います。

しかし、ヤンが生前言っていたように「恒久的な平和など歴史上に一度として存在したことがない」とのことから、いずれはまた争いが始まると思っています。







ヒルダとミッターマイヤーがいる限り、

少なくとも一代は何とかなったと予想します。



ちなみに私のYahooIDはヤン=ウェンリー1126

あぁ、あと50年、ローエングラム王朝の行く末を観ていたかったなぁ…

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